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事例紹介

和菓子製造販売会社 ~メイン行のミスリードにより収益力が毀損した和菓子企業の再建~

概要

本社所在地 非公開
業種 製造業

事業概要

同社は地方に拠点を置く和菓子製造販売業であり、10店舗近くの自社店舗販売・BtoB・OEMを組み合わせた多チャネル型ビジネスを展開している。自社工場による製造から販売までの一貫体制を強みとし、地域資源や観光需要を取り込んだ商品開発を行っている。

直近期ではBtoB販路の拡大にも注力し、観光土産・日常需要・贈答需要を横断した市場を対象としている。コロナ後は売上回復傾向にある一方、財務面では債務超過が継続している。

強み

原価率は約30%で安定しており、生産性(1人当たり売上高)は業界平均を上回る水準にある。直近期は固定費削減により営業黒字を確保しており、特にBtoB売上は成長基調にある。また、素材調達力および商品開発力に優れ、地元素材を活用し味にこだわった高品質な商品開発を行っている点も競争優位である。

問題点・課題

最大の課題は、金融機関主導によって収益力が低迷したことである。コロナ禍以降の赤字継続を受け、金融機関は人件費過多を主因と判断し、「製造部門の人件費削減」および「商品数削減による効率化」を要請した。

当社は原価管理を実施していなかったため製造スタッフと店舗スタッフの人件費を、販管費の人件費で計上していた。つまり、人件費過多の要因を、店舗スタッフではなく製造スタッフが多い事と誤認したのである。

しかし、商品数削減により店舗の売場魅力が低下し、売上減少を招く結果となった。店舗は最低3名での運営が必須であるため3名以下に人員を削減することができず、また撤退費用も捻出できないほど資金繰りが厳しくなっていた。

一方、原価管理の再構築によりPLを製造原価ベースで分析した結果、売上高労務費比率は約10%と低く、製造部門は高効率であることが判明した。実際には人件費の多くは店舗側に偏在しており、金融機関の認識と実態に乖離があった。このミスリードにより新商品開発も停滞し、結果として店舗価値の毀損と顧客離れを引き起こした。

商品力低下によって店舗の魅力が損なわれているので、このままでは客離れが加速することが想定される。

改善策

改善の方向性は、「商品削減」から「価値創出」への転換である。具体的には、店舗における商品ラインナップの再強化および新商品開発の再開により、売場の魅力を回復させることが重要である。

加えて、一度離反した顧客の再獲得には時間を要するため、ニュースレターやSNSを活用した継続的な情報発信により顧客接点を強化する。特に季節素材を活用した新商品など訴求力の高いコンテンツを軸に、ブランド価値を再認識させる取り組みが有効である。これによりリピーターの再構築と売上回復を図る。

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